「有事のドル買い」
FX用語というか、FX取引における通説のようなものなのですが・・・
かつて、世界最大の経済大国であるアメリカは強力な基軸通貨のドルをその身に抱き、高金利の恩恵を受けて留まるところを知らない発展の波に乗っていました。
基軸通貨となるだけあってドルはひじょうに安定性の高い通貨であり、FXを行う投資家の間で最も信頼されていたのです。
通常、為替価格とはその国に大事が起こると下落するものです。
そんなときには即座に別の外貨に買い換えなくては大打撃を受けてしまいます。
アメリカではその大事も滅多に起こらないため、他国で大事が起こった際には安定性のある米ドルに買い換えるという傾向があったのです。
それが、「有事のドル買い」と呼ばれていたこと。
しかし、西暦2000年を過ぎると、アメリカの経済状態が傾きを見せるようになりました。
始まりは、皆さんの記憶にも強く残っているであろう同時多発テロ。
当時、世界を震撼させたアメリカの大事件は、その後の様々な事態の引き金にもなっていますね。
それから、サブプライムローン問題。
日本でいうバブル崩壊のようなものですが、関心の高い人ほどチラシの格安のものを見てはアメリカの状態を把握しようとしたことでしょう。
以上のように、ここ近年のアメリカは歴史上稀に見る不安定さにみまわれています。
ドルそのものの強みはまだ残っていて基軸通貨であることに変わりはありませんが、しかし以前ほどの安定性は失われていました。
他国に有事があれば米ドルを買えば良かったのに、今ではそのアメリカで有事が起こっている状況です。
そのため、「有事のドル買い」とはもはや廃れてしまった傾向なのです。